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メーカー あかべぇそふとすりぃ

あらすじ

時間を巻き戻すことのできる“時計”を入手して時間跳躍の能力を手に入れた主人公が未来を変える物語(引用)










シナリオ感想(詩乃√、Re:Call編のみ)
詩乃がメインは当たり前としてその他3キャラは特に何ら感想が思い浮かばない。詩乃√(Re:Call編も含めて)に全力を注いだという印象が強い。作り込みが別格だった。

正直に言ってこの作品って詩乃ありきだから、生命のスペアみたくミドルプライス作品の方が良かったのでは、個人的にそうした方が他の3キャラに無駄に感情移入することなく、詩乃ルートを全力で読み込めるから、他3キャラの存在がノイズの様に感じた。


シナリオについての言及なんだけど、まずは詩乃√に関しては可哀想だとは十分に思うんだけど、感情移入できたかと言うとそうでもなかった。

ガンが再発して治療を諦めたとはいえ、自分の命を軽く見すぎてるなと読んでて思った。命に関するやり取りのノリが自分の感性と少しずれていて理解についていけなかった。


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それでもガンに侵食されて弱っていく詩乃の姿を見るのは嫌な汗しか流れなかった。正直辛い展開である。主人公が詩乃に蓮の面影を重ねてしまい、それを見破られるシーンがここなのも展開的に辛かった。主人公サイドから見ると詩乃の死を受け入れるにもいっぱいなのに、詩乃の心情を吐露から逃げられないのは鬱でしかなかった。
わざわざループしてまで彼女の願いに尽くしたのに、この結末。自分が主人公の立場だったら発狂してると思う。

詩乃に対する罪悪感に押しつぶられた主人公は罪滅ぼしの為に5年前に遡り詩乃を助ける為に行動するわけだけどここからのRe:Call編のシナリオは主人公の初恋である漣が絡んできて、詩乃√では謎だった要素等がある程度は氷解して読み応えは増したと感じた。


Re:Call編に関しては、始める前は先入観で「どうせ未来はご都合主義で幾らでも変えられるだろう」と少し穿った思いはあったけど、いい意味で先入観を裏切ってくれた。

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主人公同様、漣も大切な人を救うため精神をすり減らしながらも時間遡行を繰り返した結果、報われることは無かった。だから"時間を巻き戻しても未来は変えられない"というセリフにはとても重みがあった。

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最終的に漣のセリフを受け入れつつ、未練を断ち切って元の時間に帰る訳だけど、正直Re:Call編の過去編はもう少し掘り下げても良かったのではと思う。
時計のからくりや、歴史、所有者関連についてはさっぱり分からず仕舞いだった。


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最期は未来を変えることは出来なかったけど、詩乃√で罪悪感という残ったわかだまりも消化しつつ、主人公を雁字搦めにしていた未来を変えられるという思考の呪縛から解放されたので奇麗に纏まっていたのが良かった。